結婚をきっかけに仕事を辞めることは「寿(ことぶき)退社」と呼ばれています。
この記事では、厚生労働省が行っている「雇用動向調査(2018年)」を元に、
・どのくらいの人が寿退社しているの?
・寿退社をする人って減ってるの?
・寿退社する年齢って何歳くらいが多いの?
・大企業よりも中小企業の方が、寿退社する割合って多いの?
・寿退社って女性がするイメージだけど、男性がする場合もあるの?
といった疑問に答えていきますよー。
目次
退職者のうち、寿退社はどのくらい?(全体)
厚生労働省の「雇用動向調査」よると、2018年に企業や官庁などを退職した人は、日本全国で724万人にのぼります。
退職理由は、定年のため、会社から解雇されたため、介護のため・・・などさまざまです。
そのうち、結婚を理由に退職をした人は、12万人。
割合で言うと、退職者のうち、寿退社の割合は1.7%。
グラフにするとこんな感じ。
出所:「雇用動向調査(2018年)」
100人会社を辞める人がいるとすると、1人か2人が寿退社ということになりますね。
退職者のうち、寿退社が占める割合の推移
寿退社が退職理由に占める割合は年々減少傾向にあります。
出所:「雇用動向調査(時系列データ)」
バブル期には退職者の5%弱が寿退社でしたが、近年では1%強まで減少しています。
女性が結婚してもなかなか辞めなくなったと言われて久しいですが、それが統計データからも分かりますね。
将来的には、寿退社をする女性が絶滅危惧種といわれる日も遠くないかもしれません・・。
退職者のうち、寿退社はどのくらい?(年齢別)
退職した人のうち、「結婚」を理由に退職した割合を年齢別にみてみます。
出所:「雇用動向調査(2018年)」
25~29歳が最も「結婚」を理由に退職する割合が高く、5%程度が結婚を機に退職しています。
明確に結婚のためと退職理由を言わない人も多そう(一身上の都合など)なので、実際はもっと多いのかもしれません。
寿退社をした年齢
「雇用動向調査」からは寿退社をした年齢(5歳きざみ)も分かります。
出所:「雇用動向調査(2018年)」
寿退社が一番多いのは、25~29歳です。
世間で言われている結婚適齢期と同じですね。
20代前半~30代後半がボリュームゾーンです。
一方で、40歳以上で寿退社をする人も、全体の9%程度います。
企業規模と寿退社
大企業ほど制度が整っていて、寿退社する人が少ないというイメージがあるかもしれません。
実際どうなのでしょう。これもデータがあります。
出所:「雇用動向調査(2018年)」
従業員数が1000人以上の大企業では、退職者のうち寿退職の人の割合がわずか0.8%となっています。
一方、従業員数が5~29人の小さな企業の場合、その割合は3.6%に跳ね上がります。
小さい会社ほど育児休暇などの制度が整っておらず、結婚を機に辞めざるを得ない人が多いのだと思われます。
寿退社をする男性はどのくらい?
「寿退社は女性がするもの」というのが世間一般のイメージだと思いますが、男性の場合はどうなのでしょうか?
出所:「雇用動向調査(2018年)」
前述の通り、1年間に寿退社をする人は、日本全国で12万人います。
そのうち、女性は11万4千人、男性は8千人となっています。
割合的にはグラフの通り、男性の割合は7%となっています。
思っていたより多いですね・・・、お金持ちの女性と結婚して専業主夫になる人もいるでしょうし、結婚を機に家業を継ぐような人も含まれていそうです。
まとめ
寿退社に関するさまざまなデータをみてみました。
個人的には、中小企業ほど寿退社が多いこと、男性にも結婚を機に退職する人が結構いることが驚きでしたね。
今回の記事がみなさんのお役に立てば幸いです。
今度は、よく「女性の社会進出が進んで寿退社が減っている」と言われていると思いますが、それが本当なのか、統計データを使って検証してみたいと考えています!