先日ヘッドハンターに会ってきました。
会うのは初めてだったので緊張しましたが、いい経験になりました。今回はその時の体験を書いてみたいと思います。
目次
いつも通り仕事をしていると・・・
先日、いつも通り自分のデスクで仕事をしていると、電話がかかってきました。
<筆者>
はい、●●です。
<ヘッドハンター>
お忙しいところ申し訳ございません。
●●さんですか?
<筆者>
・・・そうです
<ヘッドハンター>
単刀直入に言わせて頂きます。私、ABCという会社でヘッドハンターをしている××と申します。実は、●●さんにご紹介させて頂きたい求人がございましてお電話させて頂きました。
最初は何かの間違いかと思った
来ました! ヘッドハンターです。
実は、外国人のヘッドハンターから英語で電話がかかってくることはたまにあります。かなり怪しい電話ですが・・・
しかし、日本人のヘッドハンターから電話が来るのは珍しいです。
転職マーケットはよほど良好のようです。業界の末端中の末端の筆者にまで電話が来るとは。
いきなり電話がかかってきたので、頭の中が真っ白になりました。
ヘッドハンティングなんてコンサルとかインベストメントバンカーとか一部のプロのだけの話と思っていました。
最初は、何かの間違いかと思いましたが、本当にヘッドハンターのようです。
まずは声を小さくする(笑)
真っ先に行ったのは、電話で話すボリュームを下げることでした(笑)。
周りでは同僚が黙々と仕事をしています。こんな時に限ってシーンとしているのです。普通のボリュームで喋ったら確実に怪しまれるでしょう。
私は隣の人にさえ聞こえないくらい声を小さくしました。
そのあと、ヘッドハンターから
「是非、お昼にランチがてらお会いしましょう」
と言われました。オフィスの近くのレストランでどうですか?と畳み掛けてきます。
この間、筆者は小声で「ハイ、ハイ、、、」としか言ってません。何か話そうと思っても周りが気になって話せませんでした。
聞きたいことはたくさん
聞きたいことはたくさんあります。
一番知りたいのは、どこで筆者の情報を知ったのか?ということでした。当然ながら筆者は業界で全くの無名です。
それにもかかわらず、筆者の名前と部署名、やっている仕事内容まで知っています。
名刺から流出?
一番可能性が高いのは、筆者の名刺がどこからか流出したというものです。
しかし、名刺だけでは分からない細かい業務内容まで知っていました。謎です。
ヘッドハンター本人に聞いてみたいのですが、周りが静か過ぎて聞けません。
電話がかかってきて、「そうです、、」「ハイ、、」「アーー」くらいしか言っていないので、周囲からは怪しまれていたと思います。
何か変な勧誘を受けてるのかと(笑)。
勘のいい人は、ヘッドハンターからの電話と気づいたかもしれません。
とにかく周りの視線が気になって早く電話を切りたかったので、
「興味が無いので、結構です」
と告げました。
すると、何度も断られているからでしょう。相手は慣れたもので、
「現段階で興味がなくても、転職マーケットの動向や具体的な求人をお話できればと思います。お昼の時間に1時間程度ですから、ランチがてらどうでしょうか?」
と全く引き下がる気配がありません。断るのはかなり時間がかかりそうです。相変わらず、周りはシーンとしています。小声で話しているとはいえ、かなり気まずくなってきました。
巧みなトークにのせられる
今考えれば、無理やり電話を切る手もありましたが、ヘッドハンターは電話口でずっと説得してくるので、切るタイミングがありませんでした。
「お会いできたら●●さん(筆者のこと)の情報をどうやって手に入れたかお伝えします。」
とか
「●●さんに興味を持っている具体的な会社名は、会わないとお伝えできません。」
とか巧みなトークで揺さぶってきます。
しかも、
「××ビルの▲▲というレストラン(筆者が働いている近く)でお待ちしています。」
と、こちらが行くと言っていないのに、もう決まったかのように場所を伝えてきました。
さらに、
「長電話をしていると周りの人に怪しまれると思いますから、是非今度直接お会いしましょう」
と筆者の心理を見透かしたようなことを言われました。
電話をするときのマニュアルみたいなものがあるのかもしれません。
ついに根負け
そして、私はついに根負けしました。「分かりました」と言ってしまいました。
これ以上長電話をしたら本格的に怪しまれる!!と思ったからです。
また、聞いているうちにだんだん「これも一種の社会勉強になるか」と思い始めました。
転職マーケットの動向とかもともと興味があります。聞いてみたいです。
それに、ここまで会いたいと言っている人を無下に断る必要はないか、、、と心変わりしました。
会うことに
ヘッドハンターからは、その人の携帯番号を伝えられました。それに、ショートメールを送ってほしいとのことでした。
そうすれば、「詳しい場所と日時をお送りします」と言われました。
私は電話番号をメモし、電話を切りました。そして、しばらくしてからトイレに行き、ショートメールを送ったのでした・・・・
レストランでのランチ
ヘッドハンターからランチの場所として指定されたのは、会社から歩いて5分くらいのレストランでした。
夜に行ったら高そうなお店です。
待ち合わせ時間は昼の12時です。私は、普段と同じようにお昼に行く感じで、会社を出ました(ランチを1人で行くのが不自然ではない会社です)
店の前に着いたら電話して下さいと言われていたので、電話してみると、もうすでに中に入っているとのこと。
入り口から中を覗いてみると、明らかにヘッドハンターらしき人がテーブルの横に立ちこちらを見ていました。
ヘッドハンターと対面
ついにヘッドハンターと対面です。会社の人に見られてないだろうかとソワソワしながら、お店に入りました。
ヘッドハンターからは、最初に
「お越しいただきありがとうございます。立って話していると怪しまれるので、座りましょう」
と言われました。
見た目は結構若く、30歳前後(男)でした。健康的に日焼けした、できるビジネスマンの匂いがプンプンする人です。
席に着いたらまずは名刺交換です。そのときヘッドハンターから、
「ABC社改め、DEF社の××と申します」
と言われました。
ヘッドハンターの会社が実は・・・
ABC社は仮名ですが、実は最初に電話でこの社名を聞いたとき、全く聞き覚えがありませんでした。
筆者は、大手から中堅くらいのヘッドハンティング会社の名前は知っているつもりでしたが、カスリもしません。
ネットで検索もしてみたのですが、会社のホームページはもちろんのこと、その他の情報も全く出てきません。
「最近出来た会社なのかな、、、」
とか
「個人でやっている会社でホームページ無いのかな」
とか思いましたが、ネットに全く情報が無い会社なんて怪しすぎます。
ですから、もしかしたら何かの詐欺とか変な勧誘かもしれないと、会う前はかなり警戒していたのでした。
それが、ABC社というのは偽名だったのです。実際のDEF社という社名は、業界でもトップクラスの超大手人材会社でした。
超大手人材会社!
急に超大手人材会社の名前が出てきて一気に緊張が高まりました。
「そんな会社が俺に何の用? どっから情報手に入れたの? てかそもそも俺そんな大した人材じゃないよ、、、」
さまざまな思いを頭を駆け巡るなか、ランチがスタートしたのでした・・・
まずは業界の転職動向について説明されました。
一言で言うと、「非常に良い」です。
アベノミクスが始まってどんどん良くなっているそうで、そのヘッドハンティング会社も、毎月100人前後が転職しているとのことでした。
つまりは、「転職するなら今は空前のチャンスですよ!」ということが言いたかったんでしょう。
私のこと知らない?
次に、私の経歴について聞いてきました。このとき気付いたのですが、ヘッドハンターは私の学歴や経歴など詳しいことはほとんど知りませんでした。
知っていたのは、現在の部署名や業務内容だけでした。
そのため、一般に「ヘッドハンティング」という言葉で連想されるような「一本釣り」ではなく、単に「こんな求人があるから受けてみませんか」程度の転職エージェント的なお話のようでした。
それもそのはずです。私みたいな人材が、ライバル企業から「ぜひ欲しい」なんて言われるわけがありません。そもそも存在自体を知られていないのですから、、、
少しがっかりしましたが、コトのカラクリが解けてホッとした面もありました。
リクルートエージェントに登録してないのに、会いたいと言われたようなものです。
相手は転職エージェントだ!と思えば、何度も面談をやってきましたから気楽に対応できます。
前職があることさえ・・・
私の経歴について話し始めると、まず前職があることに少し驚いていました。
しかも今とは全く違う業界です。会社名を言っても知らないようです。
その時点で、ちょっとがっかりされた気がしましたが、構わず続けます。
転職した理由、前の会社に入った理由などを話しました。
次に、「今の会社の満足度は、1から10でいうとどれくらいですか?」
と聞かれました。ヘッドハンター的には、2とか3くらいと言って欲しかったのだと思いますが、私は、
「8くらいです」
と答えました。別に、今のところ転職は考えてないので、結構率直な答えです。
「では結構現職に満足されてるんですね」と言われました。
正直ちょっとイラっとしました。私が今の仕事に満足していない前提だったのかと。
てかそもそも電話で「転職を考えていない」と伝えたのに、「それでもいいから会いましょう」と言ったのはそっちでしょう、と。
求人タイム
そのあとに求人を紹介されました。「現職に満足している」と言ったばかりなのに、、と思いましたが、どんな求人か興味があったので、身を乗り出して聞いてしまいました。
A4二枚の紙を渡されました。そこに書いてあったのは、同業の会社でしたが、規模でいえば現職より小さい会社でした。
ただ最近、先進的な事業を行ったりして、割と注目を集めている会社です。
なお、職種は現職と同じでした。
会社名を見た瞬間、「まぁ、受けることはないだろうなあ」と思いましたが、そこからヘッドハンターの怒涛の営業トークが始まりました。
社長がアグレッシブであること、業界初の取り組みを行っていること、ライバル企業から多く転職していることなど、長々と説明されましたが、正直ほとんど知っていることばかりでした。
特に目新しい話はなかったです。
試しに、「待遇はどんな感じでしょうかね?」と聞いてみましたが、
「業界でもトップクラスです」など、全然具体的なことを言ってくれません。
最後の方になると、選考に進ませたいがために、「今の会社よりもいいですよ的な」ことまで言われました。それは言っちゃいかんでしょうという感じです。
つながりは大切に
時間が来たのでランチはお開きになりました。
別れ際に「受けるかどうか検討します」と言いましたが、後でお断りのメールを送りました。
せっかく大手のヘッドハンターと会ったのですから、面倒ですがメールはしておきました。
いつかお世話になる日が来るかもしれませんから。
会社にヘッドハンターからの電話が来た方は、とりあえず会ってみてもいいと思います。
いろいろ情報も聞けますし、損することは無いと思います。
イラっとすることはあるかもしれませんが、、、 自分の個人情報を話し過ぎないなど、いくつかの注意点を守れば、有意義なものになると思います。